男2人に女1人

城木さんも、トイレかなぁ。

 

私は座ってまたチューハイをひと口飲んでから、お刺身を口に入れた。

 

「うん…おいし。」

 

城木さんて、真面目で優しいってイメージだったけど、面白いってのもプラスされたな〜。

 

こりゃあ、女子社員がほっとかないのもホント分かるわ。

 

私は、そう考えながら、美味しくてガツガツと料理に夢中になっていた。

 

その時、障子がスゥッと開き城木さんが入ってきた。

 

「おかえりなさーい。
…!!んぐっ!」
と笑顔で顔を上げビックリ。
私は食べていた料理を喉に詰まらせた。
城木さんの後ろに高畑さんが立っていたからだ。

 

「ゲホゲホっ!!
…高畑さん!?」

 

「葛城さん、ごめんっ!!高畑さんから電話頂いてさ、あのパンフレットの追加のページが新しく見つかったって追加されたいみたいで、今この辺に僕達がいるって話したら、高畑さんも出先の帰りでこの辺にいらっしゃると言うから来て貰ったんだ。」

 

「すまない。楽しく飲んでるところに邪魔して。
明日から出張でしばらく帰らないから追加分を渡しておきたくて。」

 

私と城木さんは、いえいえと首を振り、中に入って貰った。
正方形のテーブルだから誰かの横に座るのは無理だし、高畑さんを、一番奥の上座の位置にお通しした。

 

「これなんだが…」高畑さんはカバンから追加ページが入った封筒を出すと、少しだけ城木さんに説明を加え、手渡した。

 

「確かにお預かりしましたので。」
城木さんは封筒を受け取り頭を下げる。
「じゃ、すまなかったな。」と高畑さんは立ち上がろうとする。

 

「お時間あるなら、一杯お付き合いどうですか?」

 

私は、ニッコリ微笑んでそう言った。
昼間の事もあってか実は早く帰って欲しかったんだけど、こういう場合は社交辞令も必要って分かってる。

 

 

そうですよ、お気になさらず。」

 

そう言いつつ、城木さんは口には出さなかったが、気分転換にと連れてきた私を気にしているように見えた。

 

私は「気にしないで」という感じで、分かりやすい笑顔を城木さんにサインとして送る。

 

「いや、お邪魔じゃないのか?」

 

「あっ、今日は何て言うかその…葛城と気分転換に。」

 

高畑さんの質問に
城木さんは口ごもる。

 

高畑さんは
「ふーん…」としか言わず、何か反対に気まずい。

 

「あの、じ、実は私、彼と別れましてですね、城木さん励ましてくれる為に連れて来てくれたんです。」

 

高畑さんは、私をチラリと見ると
「お気の毒。」
とニヤリと笑った。
「高畑さんー、お気の毒ってホントにそう思ってないでしょう?
葛城さんが可哀想ですよぉ?」

 

城木さんの言葉に私は頷く。

 

「そう?」
高畑さんはイジワルな微笑みを浮かべている。
ホントこの人イジワル。

 

「高畑さん、お酒何いきますか?」

 

私はメニューを口を尖らせたまま渡した。
「じゃ、ビール。」
「分かりました。」

 

私は障子を開け、ちょうど廊下を通った店員さんに、ビールの追加をお願いした。