キスしていい?

私は座るとチューハイをグビグビ全部飲んだ。

 

そして、ちょうどビールを持ってきた店員さんに

 

「チューハイ巨峰で!!」
と注文。

 

「葛城さん?」

 

と城木さん。ビックリした顔をしている。

 

「いいんです!!
今日は気分転換だから!
パァッとするんです、パァッと。」

 

高畑さんは私を見てフッと笑うとビールを飲んだ。

 

くそぅ。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

居酒屋に入って1時間。

 

料理が美味しいのと、気分が盛り上がってしまっているので私はだいぶお酒が進んでしまっていた。

 

「すみません、トイレに行きます。」

 

城木さんがトイレに立った。

 

高畑さんと2人は、空気変わるから嫌だなぁ…

 

だけど、お酒で少しだけ気が大きくなっていたのもあって
色々聞きたくなってしまった。

 

「高畑さんて…」
「彼氏と…」

 

私と高畑さんは同時に喋った。

 

「何でしょう?」
私は慌てて聞き返した。

 

「君から話していいよ。」

 

そう言われると何だか聞きにくいなぁ…。

 

まぁ、でも。

 

「高畑さんのプロフィール、聞こうと思ったんです。」

 

「俺?
何だ、そんな事聞いてどうするんだ。」
「いや、特に何かある訳じゃないんですけど…。何となく。」

 

高畑さんはちょっと黙ったあと、
「…………………
高畑 真(シン)。
12月28日生まれ。28歳。
独身。AB型。他に何かあるか? 」

 

「いや…ありがとうございます…。」

 

そんな感じで話されると何か会話のキャッチボール難しい…。しかも、名前は知ってるよ…

 

「えと、
高畑さんは?
話、何ですか?」

 

「………。
彼氏がいなかったんだなと思って。」

 

「へ?」

 

「彼がいないんなら、今日あの時キスしても良かったんだな。」

 

「えっ、なっ、
た、高畑さん?」

 

私はまた顔が赤くなっていくのが分かる。

 

あの時ってトイレでの出来事?
あの時のドキドキをまた思い出す。

 

「そうだ。
指。
火傷はどうなった?見せてみろ。」

 

「あ、私も忘れてたくらいですから、大丈夫ですよ。」

 

私はまだドキドキしながら自分で一度指を確かめてから右手を差し出した。

 

高畑さんは私の手を取り
「…
大丈夫そうだな」

 

と言うと、私の手をそのまま軽く自分の方へ引っ張った。

 

「わっ!!」

 

私は簡単にバランスを崩し、高畑さんの席の方へ倒れそうになる。

 

何とかテーブルに左手をつき転がるのにストップをかける。
高畑さんは、そのまま私の後頭部に自分の手を添えると、私の唇にキスをした。
あまりの早い出来事に、私は目を見開いたまま、今、何が起こっているのかわからないでいた。

 

柔らかな高畑さんの唇が、そっと離れる。

 

「……た、高畑さん?
酔っ払ってるんですか?」

 

「酔っ払ってないよ。」

 

高畑さんの綺麗で不敵な微笑み。
私はますます顔が熱くなり、心臓が早鐘を打った。

 

「もう1回していい?」

 

甘い低い声で囁かれて私は力が入らない。

 

「だだだダメです。ダメですっ!
何で……………」

 

恥ずかしくて声が震えてる。