彼氏と別れることにした

大学の時から付き合っていた同い年の誠二と別れる事にした。
彼の事は今でもキライじゃない。

 

 

好きだ。

 

 

だけど、ね。

 

私に内緒で、他の女の子たちに優しくしてどっかに出掛けちゃうのは、どうなの?
違うと言われても、
私に浮気してると思われても仕方ないよ?

 

 

もう心の広いフリをするのはイヤ。

 

私、ホントは独占欲強いから。
結構我慢したよ?

 

 

 

優しいだけの男。
サヨナラ。

 

携帯のメールの受信画面から誠二のメールを開け、返信のキーを押した。

 

タイトルはReのまま。

 

「女の子と2人だけで会わないって約束したよね?友達が女の子と一緒のとこ見たってさ。なんでいつも約束を破るの?断り切れなかったって言う言い訳は聞き飽きたよ。疲れた。サヨナラ。」
それだけ書いて私は送信した。

 

きっと、また言い訳のメールが返ってくる。

 

 

だけど。
私の気持ちは今回は揺るがないだろう。

 

 

 

私は誠二と別れるんだ。

 

私は葛城 美優。
かつらぎ みゆう 。
22歳。
大学卒業して、電車で家から1時間半の会社に入社した。
入社したは良いけど…

 

遠い。
しかも乗り換え3回。

 

仕方ない。ようやく決まった会社だもん。辞めないよ。

 

だけど、3ヵ月前、会社の近くに一人暮らしする事に決めた。

 

親も反対しなかった。
毎日行き帰りでクタクタになって帰ってくる私を不憫に思ったんだろう。

 

私にしては半年間も毎日よく頑張った方だ。

 

借りたアパートの引っ越し代など、あれこれかかった費用は親が出してくれた。

 

だから今は、1DKの部屋に一人暮らし。
この部屋には誠二も勿論遊びに来た。

 

でも、もう来て貰いたくない。

 

私は部屋をしばらくボーっと眺めてからノロノロと立ち上がり、ぬるくなった紅茶をキッチンの流しに捨て熱い紅茶を入れ直した。

 

その時、ガラステーブルに置いてあった携帯がバイブでブーンブーンと揺れた。

 

 

多分、誠二からのメール。

 

 

私は携帯を振り返ったけど、作りかけの紅茶の方に向き直し、ゆっくりとミルクを注いだ。

 

 

出来上がったミルクティーを少しだけすすりながら部屋に移動し、ベッドに座り、携帯を取る。

 

 

 

やっぱり誠二。

 

私はメールを見た。
「長。」

 

言い訳は、内容は5つくらいなくせに長い。
その5つとは…

 

その1。
内緒にしてたのは、美優が心配するといけないから。

 

その2。
友達がどうしてもの悩みで、断れなくて相談に乗った。

 

その3。
美優が心配するような出来事は無いこと。

 

その4。
もう2度と心配させるような事はしない。

 

その5。
美優を愛してる。

 

あー、もういいって。
「その5」の文章が出る直前で携帯を閉じた。

 

どこの世界で相談聞くのにラブホ行く人がいるんですか。

 

雨が降って来て、喫茶店では長居出来ないからラブホ行ったってのが、前回の言い訳ですが。
今回もきっと相談相手とラブホ行ったんだろうね?

 

私は返信せずに携帯をテーブルに置き、時計を見た。

 

20:35。

 

明日も仕事あるし、ミルクティー飲んだらお風呂入ろっかな。
私は、チビチビ紅茶をすすり、誠二から貰った指輪を右手の薬指から抜き、座ったままゴミ箱へ狙いを定め、投げ入れた。

 

見事、指輪はゴミ箱の内側へカツンと当たり、ゴミ箱の底へ落ちた。

 

「ナイス。」
私はミルクティーの最後の一口をグイッと一気に飲んでお風呂の用意の為、勢いよく立ち上がった。
20:52。

 

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